図は、負荷カーブと呼ばれる、一日の30分毎の電気の使用量をグラフにしたもので、季節や曜日によって日々変化します。
夏は、昼間がピークとなって電力需要が大幅に伸びる傾向があります。一方、冬は昼間時間の使用量は伸びないものの、全時間帯で電力使用量が底上げされるような傾向があります。
小売電気事業者は、この負荷カーブを毎日予測して、その需要に合わせて30分毎に必要な電気を調達しなければなりません。
● 電気の取引の特徴
電気の取引では、1日を30分毎の48コマに分けて、30分毎の電気を1つの商品として取引します。
つまり、一年間では48コマ×365日=17,520個の取引商品が存在することになります。
また、季節別、時間帯別、曜日別の電気の価値は、電気の需要に応じて、以下のような傾向があります。
電気の相対的価値(=価格) | 夏、冬 > 春、秋 |
---|---|
昼 間 > 夜 間 | |
平 日 > 休 日 |
電気の卸売契約をする際に、一つの発電所から発電される電気は、規模(kW)と時間(30分毎)で切り分けて、優先順位(1番~99番)で仕分けて複数の相手に販売することができます。特に99番は、いわゆる”出ナリ”と呼ばれる契約で、上位の優先順位の電気を取った後の残りの発電のすべてを受取る(シワ取り)契約となります。
図1は火力発電の例です。1,000kWで24H(ベース)の発電を計画し、優先順位1番に500kW、2番に300kW、99番に200kWを販売する計画の時に、ある時間帯に発電トラブルで発電が400kWになった場合を示しています。
結果的に、トラブルの時間帯には、1番は400kW、2番はゼロ、99番はゼロの電気を受取ることになり、契約の内容によりペナルティーの精算を行います。
図2は、規模ごと時間帯ごとで取引する際の例を示しており、①は昼間凸型、②は昼間凹型です。このような電気の”パターン”をある一定期間で卸売契約をするのが電気受給契約です。契約期間中は、そのパターンの電気が毎日送られてきますので、小売電気事業者は30分ごとの需要量にあわせ販売先をあらかじめ決定します。(小売りに使うのか、小売で使わないであれば市場に売却するか)
電気の取引で示した通り、昼間>夜間の傾向がありますので、①と②を比べると、平均単価(円/kWh)は①>②となります。