1961年4月12日は世界初の人を載せた人工衛星ヴォストーク1号がソビエト連邦によって打ち上げられました。
そしてこの4月12日は“世界宇宙飛行の日”となりました。
初めて宇宙に行ったユーリ・ガガーリンの「地球は青かった」は世界的に有名な名言です。
宇宙ではどのようにしてエネルギーを確保するのでしょうか。
地上のようにコンビニもガソリンスタンドもない、石油を大量にもっていくこともできない。
そんな孤立した世界の中、宇宙飛行士の生活や研究にはエネルギーを必要とします。
太陽光発電システムの開発の背景にはこの宇宙でのエネルギー確保という課題もあると言われています。
宇宙太陽光発電システム
地球でもエネルギー資源の大量使用による地球温暖化や、資源の枯渇が懸念されています。
そこで、1968年にアメリカのピーター・グレイサー博士によって、宇宙空間に巨大な太陽電池とマイクロ波送電アンテナを配置し、太陽光エネルギーを電池に換えた後、マイクロ波に変換して地上に設置したアンテナへ送電、地球で電力に再変換されてエネルギーとして利用するという宇宙太陽光発電システム(SSPS)が提唱されました。
日本では1980年代からSSPSに関する研究活動が開始され、2000年代にはいってJAXA及び経産省によって100万kW級のSSPSの検討が行われたそうです。
まさに夢のようなエネルギー装置です。
日本でも固定価格買取制度がスタートして以降、太陽光発電システムは多く設置されました。もし、この技術が実現可能になればエネルギー事情はより大きく変わってくるでしょう。
しかし、この研究は技術的な検証は進んでいる一方で費用面での課題が大きいようです。現在の主力ロケット「H2A」は4トン分の荷物を打ち上げらますが、1回当たり約100億円かかります。約51万枚の太陽電池パネルを運ぶには、現状ではH2A数千回分に上るとみられており、非現実的な数字です。
現在、日本では固定価格買取制度において太陽光発電の買取自体が終息にむかっているため太陽光発電の普及が縮小するのではと懸念されており、早くこの夢の技術が実用化されて欲しいですね。
電気は買うから作る時代へ
しかし、夢の技術をただ待つだけではなく、まだまだできることがあります。
それは太陽光発電による電力の自家消費です。固定価格買取制度のおかげでシステム価格が下がり、自家消費で十分メリットを受けられるまでになりました。
“電気は買う”という当たり前から“自分で作って使う”ことが当たり前になれば、宇宙太陽光発電システムが実用化されるまでに、化石燃料を使って作られる電気に頼らずに、地球温暖化などの環境問題を改善することができると思います。
ちなみにガガーリンは高度7,000メートルからパラシュートで地球へ帰還したそうです。
富士山の約2峰分の高さです。
私には堪えられる自信がありません。。。
参考:JAXA研究開発部門:宇宙太陽光発電システム(SSPS)について
参考:産経ニュース:「宇宙太陽光発電」の実現性確認 JAXA、上空からのレーザー送電実験に成功