だんだんと暖かくなり、春の兆しが感じられるようになりましたが、3月に入ると心配なのが花粉症ですね。
近年、花粉症患者が増加傾向にあるのをご存知でしょうか。その大きな要因と考えられているのが、花粉の飛散量の増加です。花粉の量が多くなり、それを吸い込んでアレルギー反応を示す人が多くなったということです。
その花粉の飛散量が増えた理由もなんと地球温暖化にあったのです。
地球温暖化による夏の気温の上昇が、スギの生育にとってより良い環境となり、この時期に充分に育ったスギが、翌年の春先に大量の花粉をばらまくことに繋がります。また開花時期も早まることで、長い期間花粉が舞うことになってしまいます。その結果、一年を通じての全体の花粉量が増加するというわけです。
地球温暖化による気温の上昇が、樹木の成長を早め、花粉の量を増やしてしまっているのです。
スギの木のCO2削減効果
花粉症対策としてスギの木を減らせば良いのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、スギの木は他の樹木に比べて二酸化炭素(CO2)の吸収率がとても高いのです。特に成長期である林齢10年~40年頃まではよりたくさんのCO2を吸収することで、ぐんぐん大きくなっていきます。スギの木のCO2吸収量は、広葉樹であるブナやクヌギと比べて3倍~5倍ほどともいわれています。スギの木にはCO2を吸収してもらうことによって地球温暖化を防ぐ役割があるのですね。
地球温暖化と花粉症の増加防止を両立させるため、多くのスギの品種の中から花粉が少ないタイプを選び、花粉の少ない品種への植え替えを進めているそうです。
今や日本人の約30%が花粉症患者といわれています。地球温暖化が今後ますます進み、花粉の飛散量が増え続けると、まだ花粉症にかかっていない人も今後かかってしまう可能性が高くなっていきます。
花粉症対策のためにも、私たちができるエコな暮らしを心がけ、また花粉症の人もそうでない人も地球温暖化については同様に考えていかなくてはならない問題ですね。