POV(Point of View Shot)方式と呼ばれる映画制作をご存知でしょうか。
登場人物の視線とカメラの視線を一致させる方法です。
私が初めて見たのは『クローバーフィールドHAKAISYA(2008)』という映画で、簡単なあらすじとしては現代世界に“怪獣”が突如現れ、世界をパニックに陥れていくといった内容です。初めて体験するPOV方式に衝撃を受けました。一人称視点だからこその情報の少なさからくる緊張感がたまらなく、さらにホラー・パニック映画好きが相まってPOV方式の映画を多く鑑賞しました。実際、ホラー・パニック映画ではこの方式を採用している作品が多いです。
昨日、この『クローバーフィールドHAKAISYA(2008)』の続編『クローバーフィールド パラドックス』がネットフリックスで配信され、早速視聴しました。1作目の“怪獣”がなぜ突如現れたのかがそれとなく分かる(それとなく示唆しているのがまたクローバーフィールドらしくて良い)内容です。
この作中では地球は混沌としています。その原因は、資源・エネルギー不足による世界各国間での争いです。その深刻な資源・エネルギー不足を解決すべく、宇宙に出たことによって様々なことが起こる、という内容です。
この作品のように、人類が存続の危機に陥る作品は数多くあります。しかも、環境破壊や資源・エネルギー不足が原因である作品が多いです。(個人的には、日本の作品の中では『風の谷のナウシカ(1984)』がそのトップだと思います。)
しかし、実際は作品の中だけの話ではありません。
現実に気候変動が地球を滅ぼす可能性が高まっているとの警告が出されています。
1947年にアメリカの科学誌「 Bulletin of the Atomic Scientists 」が核戦争の脅威を警告するために作った、「世界終末時計」があります。近年では核兵器に対する危機だけでなく、気候変動も終末時計を進める原因の一つになっています。
2015年には地球温暖化の進行と核軍備競争によって、終末までの残り時間が「3分」となりました。
そして昨年、米国トランプ大統領の核廃絶と気候変動に対する消極的な発言によって、さらに30秒縮まり「2分30秒」となりました。
残り2分半で実際に地球は滅びませんが、このような過激な表現が出るほど深刻な現状にあると言われています。
あと2分半で地球が滅びたり、宇宙人が地球を守るために人類を滅ぼしに来たり、怪獣が登場したりすることは今のところないですが、そうならないように環境を守るためにはどうすればいいかを考えて、無理なく実行できる小さなことから始めていきたいと思います。
※ 北朝鮮が行う核開発の影響による核戦争への懸念により、2018年1月26日に残り時間が2分となりました。
※ 参照元:世界終末時計 | Wikipedia