新電力に切り替えるだけ?高圧電力契約を安くする方法と理由

工場やビル、大型の商業施設などでは多くの電力を使用するため、契約電力が50kW以上の「高圧電力」を契約している場合が多いでしょう。では、高圧電力を契約している場合でも、「新電力」に切り替えるだけで、電気料金が安くなる可能性があることをご存じですか?

「高圧電力を契約しているが、電気代が高くて困っている……」
「社内の固定費をもっと削減したい……」

この記事では、上記のようなお悩みを抱えている法人担当者様に向けて、
● 高圧電力の電気代が決まる仕組み
● 新電力の電気代が安い理由
● 新電力に切り替えて高圧電力が安くなるかどうかの見分け方
などについて、分かりやすく解説していきます。

そもそも高圧電力の電気代はどうやって決まる?

高圧電力の電気代が決まる仕組みについてご存じでしょうか?
高圧電力の電気代は、以下1~3の料金の合計で決まります。

1. 基本料金:「基本料金単価×契約電力×力率割引」の計算式で求められます。
※ 力率割引は「1.85-力率/100」で求められます。
2. 電力量料金:「電力量料金単価 × 使用電力量 ± 燃料費調整額」の計算式で求められます。
※ 「電力量料金単価」は電力会社ごとに異なります。
※ 「燃料費調整額」は、原油・LNG(液化天然ガス)・石炭の価格変動によって、毎月自動的に決まり、加算もしくは差し引かれます。
3. 再エネ賦課金: 法令に基づき年度ごとに単価が決定され、電力使用量に応じて料金が決まります。

「基本料金」と「電力量料金」の単価は電力会社ごとに異なる

電気代を左右する要因のひとつが、電力会社ごとに単価が異なる「1.基本料金」と「2.電力量料金」です。
一般的に、旧電力会社(各地域の電力会社)よりも、新電力のほうが料金単価は安く設定されていることが多いです。そして、料金単価が安くなる分、基本料金・電力量料金も安くなります。

なお、新電力とは、電力自由化にともなって、新しく電気の小売事業に参入した小売電気事業者のことを指します。

「契約電力」も電気代を左右する

高圧電力の電気代を左右するもう一つの要素が、「1.基本料金」を決定するための「契約電力」です。
50kW以上500kW未満の高圧電力契約の場合、契約電力は「実量制」で決定されます。実量制とは、過去1年間のうち最も電力を消費した月の「最大需要電力」を基準にして、電気料金を決定する考え方のことです。なお、「最大需要電力」とは、30分毎の平均使用電力のうち、月間で最も大きい値のことを指します。

つまり、新電力は旧電力会社よりも料金単価が安くなりやすいため、たとえ毎月の電気使用量が同じくらいだとしても、実量制の基準となる電気料金が安くなり、結果的に基本料金も抑えることが可能になります。

なぜ新電力は電気代が安いの?

ここからは、新電力の電気代が安い理由について解説していきます。

ターゲットを絞るため小規模な設備で運営できる

旧電力会社(各地域の大手電力会社)は、基本的に地域全体の人口をカバーできるだけの大規模な発電設備を所有しています。施設が大規模になるため、それだけ管理費などの必要経費も膨大になり、電気料金に上乗せされる形で電力消費者に請求されます。

一方、新電力の場合では、「ファミリー層」や「中小企業」など、ターゲットを絞ることができるうえ、旧電力会社が保有している設備を利用して電力を供給するため、自社で発電設備などを保有する必要がありません。そのため、旧電力会社に比べて設備投資や管理費などが少ないことが、新電力の電気料金が安い理由のひとつです。

※ただし、自社で発電設備などを保有している新電力も存在します。

人件費などのコストを削減している

新電力の電気料金が安い理由として、コストを削減していることも挙げられます。上述した通り小規模運営による費用低減と、さらにITシステムの活用やコールセンター業務の外注などにより、人件費を抑えての運営が可能となります。

また、新電力では支払い方法をクレジットカードに限定したり、紙の検針票を発行せずWEBサイトからの確認のみにしたりすることで、旧電力会社に比べてコストを削減しています。

自社利益を圧縮している

例えば従量電灯契約の場合、東京電力や関西電力などの旧電力会社の料金体系は、電気使用量が増えるごとに電気料金単価が高くなる「3段階制料金プラン」を採用しています。そのため、電気料金単価が最も高くなる3段階目が、既存の大手電力会社にとって最も利益が大きくなるポイントなのです。

新電力の場合、段階を無くしてシンプルに使用電気量×電気料金単価で設定している、あるいは3段階制料金プランを採用していても、2段階目と3段階目の電気料金単価を安くして得られる利益を圧縮することで、旧電力会社よりも低料金を実現している場合が多いです。つまり、企業としての利益を減らす形で、電気料金の値下げを実現していることになります。

メイン事業との相乗効果を狙っている

新電力には、インターネット通信会社やガス会社、大手携帯キャリアなど、電気事業以外のメイン事業で収益を上げている企業が多いです。そういった企業は、自社の電気契約とメイン事業のサービス(ガス料金やプロバイダ料金、携帯電話料金など)を「セット割」として提案している場合があります。

つまり、メイン事業の利用者を増やすための販売戦略のひとつとして、新電力事業をおこなっている企業もあるということです。このような企業にとっては、新電力事業自体で利益を上げる必要がなく、その分料金が安く設定されていることが多いのです。

新電力に切り替えるだけで高圧電力契約は安くなる?

結論から言うと、新電力に切り替えて高圧電力契約の電気代が安くなるかどうかは、ケースバイケースです。
ここでは、新電力に切り替えることで「電気代が安くなるケース」と、「電気代が安くならないケース」について、それぞれ解説していきます。

新電力に切り替えて安くなるケース

高圧電力契約を旧電力会社と結んでいる場合などは、新電力に切り替えることで電気代が安くなると考えられます。旧電力会社から新電力に乗り換える場合は、電気料金の単価が下がるので、高圧電力契約の電気代も安くなる場合が多いです。

※個別割引などにより、安くならない場合もあります。

新電力に切り替えても安くならないケース

旧電力会社から新電力への切り替えであれば、高圧電力契約が安くなる場合が多いですが、新電力から新電力への切り替えでは、すでに単価の値下げがおこなわれているため、大幅な値下げ効果は期待できないでしょう。

まずは一括見積りサービスでの比較がオススメ

上記でご紹介した通り、新電力に切り替えて高圧電力契約が安くなるかどうかは、現在契約している電力会社の料金メニューなどによります。
新電力へ切り替えることで自社の高圧電力が安くなるかどうか知りたい場合は、まず一括見積りサービスを利用してみましょう。そうすることで、「現在の高圧電力契約よりも安くなる新電力がどのくらいあるのか」を把握することができます。また、新電力の一括見積りサービスで提案された見積り金額を基準にして、さらに安い新電力を見つけるのもオススメです。

新電力WEBサイトのシミュレーションも活用しよう

新電力のWEBサイトでは、さらに正確な割引額を提示してもらうことが可能です。新電力サイトのシミュレーションを活用して、一括見積りサービスで提示された見積りよりも安い新電力を見つけることができます。

例えば、新電力のひとつである「エコスタイルでんき」の場合、以下の情報を入力することで、現在の高圧電力契約からの割引額が確認できます。
● お客様情報
● 現在のご契約状況・需要場所情報
● 現在の月別使用電力量・電気料金
● 現在の料金単価

「エコスタイルでんき」の高圧電力契約について詳しくは、以下のページをご覧ください。

高圧・特別高圧電力

高圧電力を安くするために新電力を検討しよう

この記事では、「契約している高圧電力の電気代を少しでも安くしたい」と考えている方に向けて、新電力への切り替えで電気代が安くなる可能性について解説してきました。現在契約している電力会社が旧電力会社(各地域の大手電力会社)の場合は、新電力に切り替えることで電気料金を簡単に安くできる可能性が高いといえます。

まずは一括見積りサービスや、新電力のWEBサイトにあるシミュレーションを活用して、現在の高圧電力契約よりも安くなるかどうか確認することから始めてみましょう。そのうえで、新電力への切り替えを、社内で検討することをおすすめします。

「エコスタイルでんき」で高圧電力を契約した場合のシミュレーションは、以下のページから行えます。

高圧・特別高圧電力

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