「マンション共用部の毎月の電気料金を下げたい……」
「一括受電がよくわからないので、詳しく知りたい」
この記事では、上記のようなお悩みや疑問をお持ちのマンションオーナー様に向けて、
● マンション一括受電の概要
● 一括受電のメリット
● 一括受電のデメリット
● 一括受電を契約するための条件と流れ
● 一括受電と併せてさらに電気代を下げる方法
などについて、分かりやすく解説していきます。
目次
マンション一括受電とは?
マンションの「一括受電」とは、オーナー様や管理組合様が、マンション1棟全体の電力を一括契約することを指します。
一括受電ではないマンションの場合、戸建て住宅と同じように各住戸が個別で電気契約を締結しています。一方、一括受電のマンションの場合は、オーナー様や管理組合様がマンション1棟分の電力を一括して1つの電気契約として締結し、各住戸に分配・変換して供給します。一括受電は、商業ビルやホテルなどでは標準的な契約形態です。
電気をまとめて買うから電気代が安くなる
一括受電は、電気代が安くなりやすいという特徴があります。一括受電は例えると「電気のまとめ買い」に近い方法です。商品を個別に買うよりも、まとめ買いしたほうがお得なケースが多いのと同じように、「電気をまとめ買い」することで1kWあたりの電気代が安くなり、料金メリットを得ることができるのです。
マンション一括受電サービスのメリット
ここからは、マンション一括受電サービスのメリットをご紹介していきます。
「専有部プラン」で入居者の電気代が安くなる
「専有部プラン」とは、一括受電による料金メリットを、入居者が暮らす居住スペースに還元するプランです。それにより、入居者が月々支払う電気料金を安くすることができます。一般的に、「専有部プラン」では5~10%ほど電気料金を削減できると言われています。(削減率は、契約する電力会社やマンションの規模・設備などにより異なります。)
なお、入居者が支払う電気料金単価は、マンションのオーナーが設定した価格となります。
「共用部プラン」で共用部の電気代が安くなる
「共用部プラン」は、一括受電による料金メリットを、エントランスホールの照明やエレベーターといったマンション共用部に還元するプランです。一般的にマンション共用部の電気料金を20~40%ほど削減できると言われています。(削減率は、契約する電力会社やマンションの規模・設備などにより異なります。)
「共用部プラン」によって電気代が削減されることで、管理費の値下げや、修繕費の積み立てなどに充てることが可能になります。
「専有部+共用部プラン」もある
上記では「専有部プラン」と「共用部プラン」をご紹介しましたが、一括受電サービスを提供している事業者によっては、専有部と共用部の両方に電気料金の割引・削減が適用されるプランも用意されています。専有部と共用部の両方の電気代を削減したい場合は、このプランを選ぶのが良いでしょう。
初期費用は安価
マンション一括受電を契約した場合の初期費用は、一括受電サービスを提供する事業者によって負担されるのが一般的なため、オーナー様や管理組合様の初期費用は「0円」か「電気室の鍵の交換費用」程度で済む場合が多いです。
スマートメーターの導入で電気を「見える化」できるようになるケースも
新電力会社が提供する一括受電サービスを契約する場合、従来の電気メーターから、検針員の訪問が不要な「スマートメーター」に切り替わります。(すでに切り替えが完了している場合もあります)
スマートメーターに切り替わることで、以下のようなメリットがあります。
○ 遠隔検針が可能なので、検針員の訪問が不要になる(防犯面での安心感)
○ 入居者がパソコンやスマートフォンから電気使用量を確認できる(電気の見える化)
○ 電気を多く使いすぎて停電した場合、ブレーカーを手動で戻す必要が無く、約10秒で自動復旧する(ただし、エリアによっては手動で戻す必要がある)
なお、2024年までにスマートメーターへ完全移行するために、大手電力会社によって順次切り替え作業が進められています。
マンション一括受電サービスのデメリット
ここからは、マンション一括受電サービスのデメリットについてご紹介していきます。
入居者が自由に電力会社を変えられなくなる
一括受電を契約すると、入居者ごとの電気契約ではなくなり、マンションオーナーに電気料金を支払うことになります。そのため、入居者が自由に電力会社を選ぶことができなくなります。
一括受電では、入居者が負担する電気料金は、住戸ごとの個別契約時(一括受電ではない場合)よりも安くなるケースが多いですが、それでも自由に電力会社を選べないという理由から、入居を見合わせる人も出てくる可能性があります。
法定点検のため定期的な停電が発生する
マンション一括受電を導入すると、数年(1~3年程度)に一度、法定点検のために1~2時間ほどの停電が発生します。(停電の頻度や時間は、一括受電サービスの内容やマンション形態によって異なります。)
停電によって、自宅での医療・介護に使用する機器、熱帯魚の水槽、冷蔵庫やエアコン、パソコンなどのデジタル機器などに対して適切な処置を行う必要があるため、住民への丁寧な説明が求められます。
一括受電の契約に長期間の縛りがあるケースも
一括受電サービスは、事業者によっては契約期間が10年や15年といった長期間に設定されており、期間満了まで契約解除を行えなかったり、途中解約すると違約金が発生したりする場合もあります。
そのため、契約前に契約期間については確認しておく必要があります。
導入のためには入居者全員の同意を得る必要がある
すでに入居者がいる中で一括受電サービスに切り替える際には、入居者全員の同意を得る必要があります。入居者のうち一戸でも反対した場合、一括受電サービスを契約することはできません。実際に、この条件をクリアできずに一括受電を導入できなかった事例も存在し、導入のハードルが少し高い点は、デメリットとして認識しておく必要があるでしょう。
一括受電サービスを契約するための条件については、次の項目で詳しくご紹介しています。
一括受電を契約するための4条件
マンション一括受電サービスを契約するための条件は、一般的に以下の4項目です。
1. マンション全体の電気消費量が50kW以上であること
2. マンション管理組合が電気の変圧器を管轄していること
3. 総会で3/4以上の承認を得ること
4. 入居者全戸の同意を得ること
前述の通り、4つ目の「入居者全戸の同意を得ること」という条件をクリアするためには住民への丁寧な説明が必要になります。
一括受電を導入する流れ
マンション一括受電を導入する場合、一般的に以下のようなプロセスで進んでいきます。
1. マンション一括受電サービスを提供する事業者による現地調査と報告
2. 理事会への提案
3. 総会での承認
4. 全ての入居者から一括受電への変更申込書を回収
5. マンション一括受電サービス契約の締結
6. 導入工事(マンション全体で停電が発生)
7. マンション一括受電サービスの提供開始
一括受電+新電力への切り替えで、さらに電気代削減が可能に!
マンション一括受電サービスに加えて、さらに電気料金を削減できる方法として、「新電力」への切り替えがあります。新電力は一般的に、大手電力会社よりも電気料金が安いのが特徴です。
そのため、これから一括受電サービスの導入を検討しているマンションオーナー様や管理組合様にとっては、「一括受電による電気代削減効果」+「新電力による電気代削減効果」という2つの電気代削減効果が期待できます。
また、すでに一括受電サービスを導入しているマンションにおいても、現在契約しているのが大手電力会社の場合は、一括受電サービスの契約が満了するタイミングで新電力に切り替えることで、マンションの電気代をさらに削減できる可能性が高いです。
新電力「エコスタイルでんき」でも一括受電サービスを提供中!
この記事では、マンション一括受電の契約を結ぶことで、マンション専有部・共用部の電気代削減効果が期待できることを解説しました。
新電力である「エコスタイルでんき」でも、一括受電サービスを提供しております。上述したように、一括受電サービスとあわせて新電力へ切り替えることで、電気料金をさらに削減することが可能になります。「エコスタイルでんき」に切り替えることで、マンションの電気代がいくら安くなるのか知りたいマンションのオーナー様や管理組合様は、ぜひお問い合わせください。