引越しする時、電気やガスの手続きはどうすればいい?

就職・進学での移住や転勤など、生活の中で引越しをする機会があると思います。引越しは想像以上に大変な作業で、家具や洋服、小物を梱包して運ぶだけではありません。電気・ガス・水道など公共サービスの手続きや転出・転入手続き、各種の住所変更も必要で、大変な手続きを円滑にするためには事前の準備がとても大切になります。

そこで今回は、引越しの際にどんな手続きが必要なのかを特集します。特に注目したいのが電気契約の手続きについてです。電力自由化となった現在、様々な電力会社が存在し、手続きも多種多様となるため、解約や切り替え手続きについても詳しく解説します。

引越しで見落としがちな手続きとは

引越しは、事前の段取りですべてが決まる

引越しがスムーズにできるかは、事前の準備が左右します。なぜなら、細かなことを含めるとやるべきことが膨大にあるからです。人生の一大イベントとして取り組むべきでしょう。

新居の手続きや、引越し業者の選定・申込み、引越し作業は、やるべきこととして誰もが率先しておこないます。一方で各種サービスの手続きは見落としがちではないでしょうか。電気やガス、水道はもちろん、現住所で利用しているサービスには解約や切り替えが必要となります。これらの手続きを、後回しにする人も少なくありません。なぜなら、つい面倒だと感じてしまうことだからです。
また契約しているサービスに個人差があり、なかには手間がかかる内容も含まれています。どんな手続きを、いつまでにするのかを段取りしておくことが、引越しを滞りなく進めるためには重要です。そこで引越し関連の手続きを、ひとまとめにしてみました。

引越しに関する各種手続きまとめ

①水道

引越しをする3~4日前に、電話もしくはインターネットから水道局に連絡をして停止申請をします。書類などの提出は必要ありません。氏名と(新旧)住所、閉栓予定日時を伝えれば完了です。同じ水道局が管轄する地域に引越しをする場合は、検針票に記載のお客様番号も伝えましょう。

続いて新居での開栓手続きを管轄の水道局でおこないます。こちらも水道を利用開始する3~4日前に、電話やインターネット、郵送でおこないましょう。手続きは閉栓と同じくとても簡単です。氏名と住所、開始希望日、水道代金の支払方法を伝えれば、手続きは完了します。

②ガス(一般ガス事業者で契約の場合)

電話もしくはインターネットで閉栓・開栓手続きができます。必要な情報は、水道の場合とほとんど同じです。異なるのは、作業員による閉栓・開栓作業に立ち会わなければならない点です。作業自体は、30分もあれば終わります。手続きは、作業をする1~2日前に済ませておきましょう。
また一部では、都市ガスではなくプロパンガスの使用地域があります。物件によっては業者を指定されている場合もありますが、利用者が自由に選ぶことができます。プロパンガス会社によって価格やプランは異なるので、条件に合った会社を選定しましょう。

ガスは2017年4月に小売全面自由化が開始され、各ご家庭でガス会社を自由に選択できるようになりました。すでに一般ガス事業者以外でご契約の場合は、ご契約中のガス会社のお手続き方法をご確認ください。

③電気(一般電気事業者で契約の場合)

インターネットか電話で利用停止手続きができます。電話は引越し当日でも構いませんが、余裕をもって連絡しておきましょう。インターネットであれば、2~3日前までが目安です。

電気は水道・ガスと同じく基本的な情報(名前・住所・停止・開始希望日・支払方法など)と合わせて、領収書に記載されているお客様番号が必要となります。利用開始の手続きはインターネットか申込用紙でおこないます。新居ではアンペアブレーカー、漏電遮断器、配線用遮断器のスイッチをオンにすれば、当日からすぐに電気が利用可能となります。
また電気使用申込書で、支払いに関する情報を提出しなければなりません。後日で構いませんが、できる限り早急におこないましょう。

電気は2016年4月に小売全面自由化が開始され、各ご家庭で電力会社を自由に選択できるようになりました。すでに新電力会社でご契約の場合は、ご契約中の新電力会社のお手続き方法をご確認ください。なお、電力自由化について詳しくは後述します。

④インターネット

インターネットを利用している方は、インターネット回線・プロバイダの解約と契約が必要です。解約で注意をしたいのは、日にちです。多くの業者では解約の締め日が設定されています。手続きが締め日以降になると、インターネットを使っていなくても利用料が加算されてしまうため、事前に確認しておきましょう。
契約をする場合は、余裕をもって手続きすることを推奨します。インターネットの回線工事には時間がかかるため、契約手続きは引越しの1ヶ月前がベストといえます。
またインターネット回線とプロバイダで会社が異なる場合もあります。ご自身がどの会社で、どのプランを契約しているのか確認しておきましょう。
レンタル機器がある場合は返却しなければならないので、不足している機器がないか、早めに用意をしておきましょう。

⑤役所・役場関係

役所・役場での手続きは、他の市町村に引越しをする場合におこないます。引越しをする前に転出届を提出し、転出証明書を発行しなければなりません。また印鑑登録の廃止、国民健康保険に加入している場合は資格喪失の手続きをします。
そして、重要なのは引越しをした後です。引越しをして14日以内に転入届・転居届を提出しなければなりません。手続きには転出証明書が必要です。
同時に、必要に応じて、国民年金、国民健康保険、印鑑登録の加入手続きもおこないます。

⑥郵便物

転居届を郵便物の窓口提出か郵送、もしくはインターネット日本郵便・e転居届で引越し先への転送サービスを申し込みます。手続きには、本人確認書類と旧住所を証明する書類(運転免許証・国民健康保険証など)が必要です。転居届を提出すれば、旧居に配送された郵便物を、1年間新居に転送してくれます。転居届を再提出すれば、期間をさらに1年延長することもできます。

⑦その他

上記で記載したもの以外でも、スマートフォン・携帯電話、新聞、NHK、銀行・金融機関、クレジットカード、各種保険、パスポートなど、住所変更が必要なサービスはすべて手続きをしなければなりません。引越しをする個人や世帯の状況によって、詳細は異なります。例えばお子様がいるご家庭では、転校転入学の手続きが必要なケースもあるでしょう。引越しをする際には、住所変更から解約や新規加入まで、やるべき手続きをすべてピックアップしておくとよいですね。

いずれにしても重要なのは、スケジュールです。とくに期限が設けられている場合は、早急に手続きをしなければなりません。手続きが間に合わなかった場合、余計な利用料金を支払うことになったり、引越しをした先でサービスを使えなかったりするおそれがあるので注意が必要です。

電力自由化後、電気はどう契約すべきか

電力自由化で変わったこと

さて、さきほど触れた電力自由化について、もう少し詳しく説明していきます。
2016年4月の電力自由化以前では、一般消費者は地域ごとに定められた電力会社としか契約を結べませんでした。地域の電力会社は一般電気事業者と呼ばれており、電気の小売においてこの一般電気事業者が独占していましたが、さまざまな企業が自由に電気を供給できるよう法律が改訂されたのです。
現在、地域・業界の垣根はありません。通信会社や地方自治体、石油・エネルギー関係の企業など数百社を超える企業が、日本全国で電気を販売・供給しています。これにともない一般消費者は、自由に電力会社を選べるようになりました。

電力自由化によって多くの企業が新規参入しましたが、どこも提供している電気の質に差はありませんし、各社の特徴がプランや商品に見受けられます。例えば、公共料金やインターネット・スマートフォンの利用料とのセット割引や、時間帯によってお得になるプランなどがあります。どの電力会社でどのようなメリットを受けるのか、選択肢が増えたことが一般消費者のメリットといえます。

ライフスタイルに合った電力会社を選ぼう


電力自由化が開始されるまでは、引越しをする際でも各地域で決められた電力会社と契約すれば問題ありませんでした。しかし今では、ライフスタイルに適したプランやお得なサービスを提供している会社を自由に選ぶことができます。
ただたくさんある電力会社からベストな会社を選択するのは意外と難しいもの。おすすめなのは、「自分に合ったプランかな」と思える数社をピックアップし、シミュレーションを依頼して比較することです。比較をすることで、自分にとってベストなプランにたどり着くことができるでしょう。引越しをする前よりも経済的な負担が軽くなることで、新たな生活を後押ししてくれます。

比較をしたり、新しい会社と契約をしたりするには時間がかかります。余裕をもって取りかかってください。引越しの1ヶ月前には手続きが完了していることが望ましいでしょう。もし悩んだり、後回しにしたりすると、新生活で電気が使えない可能性もあるので気をつけましょう。

手続き自体は、先述した通り簡単におこなえます。どの電力会社でも、申込手順に差はほとんどありません。ただしセットプランによっては、電気以外のサービスを解約・申込手続きする必要があります。

いずれにしても引越しをする際には必ず手続きが必要になるので、そのタイミングで新電力を契約し、電力自由化による恩恵を受けたいところではないでしょうか。

まとめ

公共サービスや公的な手続きを中心に、引越しに関するおもな手続きについてご紹介しました。特に今回は電力自由化以降の電気について注目をしてみました。
引越しの際の各種手続きは大変な作業ですが、よりお得でスマートな暮らしができるチャンスと捉えて、取り組んでみてはいかがでしょうか。

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