エネルギーの種類にはどんなものがある?これからどうなっていくの?

「エネルギー」という言葉をよく見聞きします。もちろん、このサイトのテーマとなっている「電気」もエネルギーがあるからこそ生み出せるのです。では、そもそもエネルギーとはいったい何なのでしょうか?どんな種類のものがあるのでしょうか?

今回は知っているようで意外と知らない人が多いエネルギーについて改めて勉強してみましょう。これからどんなエネルギーが普及するのか?将来の展望についても考察します。

エネルギーは大きく分けて2種類がある

「エネルギーって何?」と聞かれたときにあなたは答えられますか?まずはエネルギーとは何なのか?どんな種類があるのか?を見ていきましょう。

そもそもエネルギーって何?

エネルギーとは「仕事をさせる力」のことを指します。仕事と聞くと会社で書類を書いたり作業をしたり、いわゆる「労働」という行為を連想しがちですが、物理の世界では「物体に加わる力と変位の内積によって定義される物理量」と定義されています。少しわかりにくいのですが、具体的には物体が動いたり、熱を出したり、音を出したり、光ったり、何らかのアクションを起こすことを指します。たとえばボールを蹴って転がっている状態は、そのボールが「仕事をしている」と言えます。

では、そのボールはどうして転がるという仕事をしているのでしょうか?それは人が蹴ったことによってボールにエネルギーが加わったためです。

たとえば、自動車の場合はガソリンを使ってエンジンを回すことによって生じたエネルギーで走ることができます。冷蔵庫は電気というエネルギーによって冷却器や放熱器が作動して空気が冷やされるから、食べ物を冷やすことができるのです。私たち人間もそうです。タンパク質や糖分、脂質などの栄養を分解してエネルギーを生み出すことで、立ったり歩いたり考えたりということができるようになります。

動く、状態が変化するという「仕事」をするためにはエネルギーが必要不可欠なのです。

一次エネルギーと二次エネルギー

エネルギーはご飯のようなものです。私たちが歩いたり走ったりといった運動をする、それこそ毎日会社で一生懸命「仕事」をしたりするためには栄養を摂らなければいけません。栄養がいっぱい含まれたご飯こそが、人間にとってのエネルギーなのです。同様に、自動車にとってはガソリンが、冷蔵庫やエアコン、テレビなどの電化製品にとっては電気がご飯でありエネルギーとなります。

自動車や電化製品、機械などの製品を動かすためのエネルギーは「一次エネルギー」と「二次エネルギー」の2種類に分けられます。

一次エネルギーとは自然界に元から存在するエネルギーのことです。石油や天然ガス、石炭、太陽光や水、風、地熱などが挙げられます。たとえば温泉は地熱というエネルギーが関係しています。マグマによって地下水が温められるから、温かくて気持ちいい温泉に入れるのです。ヨットは帆で風という一次エネルギーを受けることで、海や湖の上を進むことができます。ちなみに、原子力燃料も一次エネルギーに分類されます。

二次エネルギーは一次エネルギーを使いやすいように加工したものです。具体的には都市ガスやLPガス、ガソリン、灯油、電気などが挙げられます。ガソリンは製油所で石油から精製されたものです。ガスプラントでは天然ガスが原料となって都市ガスやLPガスが作られます。石炭や天然ガス、石油を火力発電所で燃やす、あるいは太陽光や水、風、原子力燃料といった一次エネルギーを発電所で加工して私たちのもとに電気というエネルギーが供給されるのです。

なぜ二次エネルギーに加工する必要があるの?


エネルギーには、自然の中に存在してそのまま使える「一次エネルギー」と、それを加工した「二次エネルギー」という2種類があることがおわかりいただけたかと思います。それでは、なぜ一次エネルギーを二次エネルギーに変換する必要があるのでしょうか?その理由を見ていきましょう。

一次エネルギーをそのまま使うのは難しい

一次エネルギーをそのままの状態で私たちが使うのは容易なことではありません。先ほど例に挙げた温泉は地熱があってはじめて温かくなるのです。ヨットも風が吹いていないと前に進むことができません。

今はほとんど見なくなった蒸気機関車は石炭という一次エネルギーを使って走っていましたが、常に人が石炭を供給しなくてはいけません。

一次エネルギーだけで生活するとなると、お風呂にも入れないし、船は風が吹くまで待たなければいけない、列車は常に人手を使って走らなければいけない。非常に効率が悪いのです。

二次エネルギーは効率がいい

そこで、一次エネルギーを加工して二次エネルギーを使う技術が発展してきました。電気という二次エネルギーを生み出せるようになったおかげで、給湯器が使えるようになっていつでも温かいお風呂に入ることができるし、電車も普及してより速く、より便利になりました。

ガソリンを使ったモーターを使えば風が吹いていなくても船を動かすことができます。もちろん、自動車も二次エネルギーがあるからこそ走れるのです。

このように、一次エネルギーを二次エネルギーに変換することで、より私たちの暮らしは便利に、豊かになってきたのです。

エネルギーは今後どうなる?どんな種類のものが主流になる?


今の暮らしがあるのは二次エネルギーやそれを使った技術のおかげです。エネルギーの歴史は人類の発展の歴史と言っても過言ではありません。それでは、今後エネルギーはどうなっていくのでしょうか?将来の展望を考察してみました。

二次エネルギーに依存した生活は限界が近づいている?

私たちが恩恵を受けてきた二次エネルギーには負の側面もあり、近年それが顕著になってきました。たとえば地球温暖化。ガソリンを燃やして走る自動車の排気ガスや発電所から排出される二酸化炭素などの影響で、地球の気温がどんどん上昇し、環境の変化が現れつつあります。北極や南極の氷が溶けて海面が上昇したり、異常気象が発生したり、生態系が乱れたり、現在進行系で温暖化の影響が出てきているのです。

また、二次エネルギーの源である一次エネルギーの枯渇も危惧されています。ガソリンや電気を生み出す原油はあと50年以内に消費しつくしてなくなってしまうとも言われています。天然ガスも同様です。

このまま二次エネルギーに頼り切った生活をしていると、いずれ地球環境が悪化し、エネルギーの供給ができなくなり、私たち人間は生きていけなくなってしまうかもしれません。

一次エネルギーを活用した新しい方法が模索されている

そこで、今着目されているのが一次エネルギーの活用です。石油や天然ガスから生み出される二次エネルギーには限りがありますが、太陽光や風、水、地熱といった一次エネルギーは使ってもなくなりません。

一番身近なのは太陽光発電でしょう。太陽の光を使って発電すれば、石油を使わずして家電製品を動かすことができます。限りある一次エネルギーを使うことはないし、発電の過程で二酸化炭素が発生することもありません。太陽光発電で生み出した電気をエネルギーにして自動車を走らせれば、ガソリンの消費や排気ガスの排出も防ぐことができます。ヨーロッパでは十数年後にはガソリン車やディーゼル車を全面的に販売禁止にするという動きが広まっています。

地熱を使ってタービンを回して発電する地熱発電や、ゴミを燃やして発電するバイオマス発電の普及も進められています。石油や天然ガスの代替燃料として、トウモロコシやサトウキビ、海藻などを発酵させて燃料を生成する、あるいは細菌が発生させるメタンガスを活用するバイオ燃料の研究も進められています。

<二次エネルギー依存から脱却!新しい種類のエネルギーが生まれる>

こうした技術はまだまだ発展途上ですが、実用化されれば広く普及し、私たちの生活が大きく変わっていくことでしょう。今までのライフスタイルを変えなければいけないという痛みも伴うかもしれません。しかし、二次エネルギーが発明された後のように、より生活が便利に、そして環境に配慮したものになると考えられます。新技術の普及に期待したいと思います。

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