店舗やお店、事務所を維持するためにはどんな経費が必要なのでしょうか?起業を考えている方はぜひ今後の参考にしてみてください。経営者の方は今一度再確認し、無駄な経費を省いて利益アップを目指しましょう。
そもそも経費って何?削減するメリットは?
まず、経費というものがいったい何なのか?経営者の方にとっては釈迦に説法かもしれませんが、利益をアップさせるためには経費の本質を知っておかなければいけません。ぜひ、初心に戻って「経費とは何か?」見つめ直してみましょう。
経費って何?利益や売上との関係は?
経営者なら誰しもが「利益をアップさせたい」と考えているものです。でも、利益を上げるためには経費について知っておかなければいけません。
経営の現場でよく使う数字は「売上」「経費」「利益」の3つです。売上はその名の通り、商品やサービスを販売して得たお金のことです。経費はその売上を上げるために使ったお金のことです。利益は売上から経費を支払った後に手元に残るお金のことです。
利益は「売上-経費」という計算式で算出することができます。仮に1万円の商品があったとしましょう。その商品を作る、あるいは売るために経費を8,000円使えば、利益は2,000円ということになります。経費が11,000円かかるとしたら、利益は-1,000円で赤字となってしまいます。悲惨なのは商品が売れなかった場合。もし8,000円の経費をかけて作った1万円の商品が売れなかったら、売上は0円で、8,000円の赤字となってしまいます。この経費を負担するためには他の売上から補填するか借金をするしかありません。
利益をアップさせたいなら経費率を意識しよう
利益を増やす方法は売上をアップさせるか経費を削減するかのどちらかを考える必要があります。そのときに考えたいのが「経費率」です。経費率とは売上に対する経費の割合で、これを低くできれば利益をアップすることができます。「(経費÷売上)×100」という計算式で算出することが可能です。
先ほどの例に当てはめてみましょう。1万円の商品を売るために8,000円の経費がかかるとすると、経費率は80%となります。
商品を数多く売れば、経費率を下げなくても利益は増えます。でも、売れる数を増やさず利益を増やすためには、
② 売上金額をアップして経費率を下げる
のいずれかを選択する必要があります。
経費には2種類ある
経費には大きく分けて「固定費」と「変動費」の2種類があります。固定費とは売上の増減に関わらず毎月必ず支払わなければならない費用で家賃や税金、従業員の給料などが挙げられます。変動費は売上の増減にともなって変動する費用で、材料費や仕入原価、消耗品代などが挙げられます。
店舗や事務所に必要な経費と削減するポイント
それでは実際に飲食店や小売店などを経営する、あるいは会社の事務所を運営するためにはどのような経費が必要なのか?見ていきましょう。削減するポイントもお伝えします。
地代家賃
固定費の代表的な例です。物件を借りてお店や事務所を運営するためには毎月大家さんに家賃を支払わなければいけません。少しでも家賃が安い物件に移転すれば削減することができますが、安すぎる物件は立地が悪かったり、狭かったりするものです。移転費用もかかるため、なかなか削減するのは難しいのが現実です。
租税公課(固定資産税)
いわゆる税金で、これも固定費となります。自分の土地に建物を建てて、そこで店舗や事務所を運営すれば、家賃は必要ありませんが固定資産税がかかります。他にも自動車税や不動産取得税、消費税なども租税公課に含まれます。
租税公課もなかなか削減するのが難しい経費ですが、不要な土地や自動車を所有している場合は手放してしまえば削減することができます。
減価償却費
資産に計上した固定資産のことです。建物や設備、機械やコンピュータ、厨房、自動車などがこれにあたります。無駄な設備投資はしない、安いものを選ぶ(たとえば社有車を普通車ではなく軽自動車にする)ことで削減が可能です。
売上原価
売上を上げるために直接的に必要となる費用です。たとえば材料代や仕入れ費用などがこれにあたります。経費の中でもかなり大きい部分と言えるでしょう。材料や仕入れの原価を抑えることで利益を上げることができますが、あまりにもコストダウンしすぎて商品やサービスのクオリティが下がってしまえば客離れが起きて売上が下がり、結果として利益も少なくなってしまう事態にもなりかねません。
水道光熱費
水道代や電気代、ガス代などのライフラインがこれにあたります。特に飲食店の場合はこの水道光熱費も大きな出費となるでしょう。こまめに電気を消す、水道を流しっぱなしにしないといった日頃の心がけで削減することができます。
修繕費
建物や機械、車両を維持するためのメンテナンス費用や不具合を修理する際の費用です。
設備のメンテナンスの回数を減らす、自分たちで修理するといった方法で削減することができますが、安全性や実現性を考えると難しい面もあります。
保険料
損害賠償保険や地震保険、火災保険、自動車保険などが該当します。保険会社やプランを見直すことで経費削減につながります。
給料賃金
従業員に支払うお給料や賞与などです。社員を雇って店舗や事務所を運営している場合はこの給料賃金も大きな経費となります。
たとえば、簡単な業務や忙しくなって一時的に人手が必要な場合はアルバイトやパート、あるいは外注に置き換えることで、給料賃金を削減することが可能です。
法定福利費
従業員の健康保険、介護保険、厚生年金保険、労災保険、雇用保険などの会社負担分を指します。法人あるいは従業員数5人以上の個人事業主は原則として社会保険は強制加入となります。
外注工賃
外注に仕事を発注して支払った費用です。たとえばホームページやチラシの作成を外注業者に依頼した、経営コンサルタントに入ってもらったといったケースで支払う報酬がこれにあたります。安い外注先を選ぶ、あるいは自社でできることは外注せずに内製化することで削減できます。
消耗品代
いわゆる備品代です。10万円以下のコンピュータや機械、OA機器や机、椅子といったものから、什器、ボールペンやコピー用紙に至るまで、幅広いものがこれに含まれます。家計と同じで、無駄なものを買わない、安いものを探すことで経費削減につながります。
通信費
電話代、インターネットのプロバイダー代、携帯電話料金、切手やはがき代などがこれにあたります。たとえばインターネットのプロバイダーを安い会社に切り替える、携帯電話を格安SIMに乗り換えるといった工夫をすることで削減につながります。
経費削減をするのはなかなか難しい?
店舗や事務所運営には以上のような経費がかかります。改めて見ると、いろんな出費があって驚きませんか?
でも、実際に経費を大きく削減するのはなかなか難しいものです。例えば安い材料を使えば確かに経費削減は可能ですが、商品やサービスの品質が低下して売れなくなる可能性もあります。
給料を減らすなど人件費を削ると従業員のモチベーションの低下などを招いて売上が伸び悩んだり、業務が回らなくなったり、離職を招いたりする危険性があります。リストラを行うとなると社会的信用が低下するリスクもあります。
よっぽど経営が悪化していない限り、仕入原価や人件費、設備費用などをテコ入れするというような大胆な経費削減は難しいと言えます。
経費削減するなら固定費に注目しよう
前述の通り、経費には大きく分けて「固定費」と「変動費」の2種類があります。毎月の経費を削減するなら、固定費に着目しましょう。もちろん、家賃や税金、人件費など削減しにくいものもあります。でも、水道光熱費や通信費などは削減することが可能です。
まずは水道光熱費から経費削減をスタートしてみよう
すぐにできる経費削減の方法として水道光熱費の見直しが挙げられます。特に電気代は、東京電力などの大手電力会社では、使う・使わないに関わらず「基本料金」や「最低料金」がかかります。
しかし2016年4月の電力自由化により、企業や個人が電力会社を自由に選択し契約ができるようになりました。例えば基本料金がない電力会社を選択することで、臨時休業が増えた場合でも支払いは使った分だけですので、電気代を節約することができます。
エコスタイルでんきも基本料金がかからない電力会社の1つで、使った分しか電気代がかからないから安心です。法人のお客さまで年間90,000円も電気代を削減できたという事例もあり、切り替え工事なども不要です。ネットで簡単にお申し込みができるので、経費削減をお考えでしたら、まずは電気代を見直してみるのはいかがでしょうか?
塵も積もれば山となる!ちょっとずつでも経費を削減しよう
いきなり大きく出費を減らすことは難しいですが、固定費を見直す、無駄を省くことで、着実に経費が削減できて利益をアップさせることにつながります。ぜひ、今できることからはじめてみましょう。